LOD の作成
作業の概要
ビューの距離によって変化するオブジェクトの細部レベルを指定できます。遠くにあるオブジェクトはポリゴン数を減らすことにより、パフォーマンスが向上します。Level of Detail Editor は変化する細部レベルを作成しながら、レベルの移行をリアルタイムで表示できます。詳細については「Level of Detail Editor」または「Polygon Reduction Editor」を参照してください。
Level of Detail (LOD) Editor を使用すると次の操作を行えます。
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オブジェクトの変化するレベルを作成します。
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オブジェクトのレベルをエディタにコピー、ペーストします。
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各レベルの表示距離を対話的に設定します。
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レベル間で自動的にビューを切り替えます。
LOD Editor のマテリアル・モデルはアニメーション・フリップブックに似ています。LOD は近く (最も精密) から遠く (最も粗い) へ並んだページ (レベル) です。オブジェクトから遠ざかるとき、距離に合わせてレベルが変わります。ページは追加、削除できます。またページのオブジェクトも編集できますが、既存のページへのオブジェクトの追加はできません。
メニュー・バーの [LOD] ボタンをクリックするか、[Appearance] メニューの [Level Of Detail Editor] をクリックすると、LOD Editor が起動されます。カーソルを [LOD] ボタンの上に移動すると、"Invoke Level Of Detail Editor"と表示されます。
注記: 現在表示されているオブジェクトの三角形の数が LOD Editor のプレビュー・エリアの上に表示されます。
Level of Detail Editor の使用方法については、次のトピックを参照してください。
ファイルを新しいレベルとして Level Of Detail Editor に取込むには、次の手順に従ってください。
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LOD Editor を起動します。
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[Level] メニューの "[Import New]" をクリックします。
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[Selection] フィールドにオブジェクト・ファイルのパス名を入力するか、ディレクトリ構造を参照してファイルを指定します。選択したファイルが黒で強調表示されます。
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[了解] をクリックします。ファイルが [LOD Editor] ウィンドウに、新しいレベルとして表示されます。この新しいレベルが有効になる最初の距離が自動的に計算され、ウィンドウ下部の移行スライダに表示されます。
クリップボードの内容を新規レベルとして Level Of Detail Editor にペーストするには、次の手順に従ってください。
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[WebSpace Author] ウィンドウに表示されているオブジェクトか、Text モデラー または Shape モデラー・アプリケーション からオブジェクトを選択します。
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適切な [Edit] メニューの [Copy] をクリックします。
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LOD Editor を起動します。
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[LOD Editor Edit] メニューの [New] をクリックします。
LOD Editor を使用してオブジェクトの複雑なレベルを複製するには、次の手順に従ってください。
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LOD Editor を起動します。
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ファイルを取込むか、ウィンドウにオブジェクトをペーストして、LOD Editor にオブジェクトを表示します。
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[Level] メニューの [Duplicate Level] をクリックします。オブジェクトの正確なコピーを使用して、別のレベルが作成されます。ウィンドウ下部の移行スライダは、(カメラからの) 距離をメートル単位で表示し、このレベルで表示されるオリジナルのオブジェクトが置き換えられます。
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オブジェクトの一部を選択して変更し、オリジナル・オブジェクトの簡易バージョンを作成します。
注意点:
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[Show LOD] がオンでなければ、新しいオブジェクトを変更するまでレベル間の移行は検出されません。
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モデルからサブオブジェクトを削除するには、適切な "レベル"で操作する必要があります。[Level] メニューの [Next]、[Previous] をクリックして、エディタ内でレベルを移動できます。
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オブジェクトに LOD が含まれている場合、オブジェクトをグループ解除できません。またオブジェクトの階層を [Up/Down] の矢印で移動できません。
ヒント:
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[Show LOD] をオンにすると、メイン・ビューと LOD Editor の、どちらの LOD の表示にも影響します。
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簡単にモデルからサブオブジェクトを削除して、新しいレベルを作成できます。LOD Editor でサブオブジェクトを選択して、Backspace を押します。サブオブジェクトは削除され、モデルを新規レベルで保存できます。
次の例はオブジェクトの 3 つのレベルを表しています。第 1 レベルと第 3 レベルでの、三角形の数の違いに注意してください。オリジナルの三角形の数は 1032 です。第 3 レベルの三角形の数は 88 です。


オブジェクトの表示レベルの移行距離を対話的に設定するには、次の手順に従ってください。
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LOD Editor を起動します。
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新しいバージョンの取込み、新しいバージョンのペースト、または前のレベルの複製の編集により、オブジェクトのレベルを作成します。
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カーソルをスクリーン下部の棒グラフの距離マーカー上に移動します。色が赤に変わります。
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マウスの左ボタンをクリックしたまま、マーカーを目的の距離にドラッグします。マーカー距離が、マーカーの移動に合わせて変化します。移行距離の変更は直ちに適用されます。変更がメイン・ビューのカメラ距離に影響を与える場合、メイン・ビューは再描画されます。
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残りのレベルを調整します。
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設定を表示するには、[Edit] メニューの [View LOD Transitions] をクリックします。ビュー・スライダがバージョン距離の移行スライダの上に表示されます。
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ビュー・スライダ上にカーソルを移動し、グラフに沿ってスライダをドラッグします。バージョン・レベルがスライダ上にマークされた距離で切り替わり、それに合わせて移行がウィンドウに表示されます。
いくつかのレベルを作成して各レベルの表示距離を設定したら、レベルを切り替えて、ユーザがシーンを移動するときに移行がどのように表示されるかプレビューできます。移行プレビュー・ツールを使用する際には、いくつかのキー・ポイントがあります。
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View Transitoins は LOD Editor の目のアイコンをクリックすると有効になるモードです。このビュー・モードの使用中は、ほかのほとんどの LOD 機能はオフになります。
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移行スライダは View Transitons モードのオン/オフに関わらず有効です。View Transitions モードではスライダをドラッグするとカメラがドリーします。View Transitions モードがオフの場合は、レベル・マーカーをドラッグして表示する距離を調節するか、スライダ・バーをクリックしてレベルを変更します。
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移行の調整は対話的に処理されます。メイン・ビューと、移行を表示するために選択したブラウザで移行の表示が必要です。
移行をプレビューするために、設定されたモデルのレベルを自動的に切り替えるには、次の手順に従ってください。
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LOD Editor の目のアイコンをクリックします。
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ウィンドウ下部の移行スライダをクリックしてドラッグします。レベルの移動にはドリーのダイヤルも使用できます。
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ウィンドウのプレビュー・エリアに、モデルが設定した距離で移行するようすが表示されます。
ウィンドウの移行スライダの部分を以下の図に示します。
次の例はオブジェクトの 3 つの細部レベルのプレビューを表しています。


シーン内のいくつかのオブジェクトに細部レベルを作成したら、シーンの作成を続ける前に、レベルの一覧を作成します。[View] メニューの [Show LOD] で簡単に行えます。
注記: これは移行が適切な距離で実行されるかを確認する重要なツールです。[Show LOD] を使用すると、移行が適切な距離で実行されていないオブジェクトを簡単に発見できます。また接近したオブジェクト同士の移行が、非常に離れた距離レベルで実行されている場合も発見でき、これらの移行をより均一に設定できます。
各オブジェクトの LOD レベルは、カメラからの表示距離で示されます。LOD を持つオブジェクトはレベル、または表示される距離に応じたカラーでレンダリングされます。レベルを表すカラーは次のとおりです。
赤:
第 1 レベル; カメラの一番近く
金:
第 2 レベル
黄:
第 3 レベル
緑:
第 4 レベル
水色: 第 5 レベル
紺: 第 6 レベル
紫:
第 7 レベル; カメラから最遠
第 8 レベル: 第 1 レベルのカラーが繰り返されます。
カラーのサイクルは紫の次は赤に戻ります。つまり非常に遠いオブジェクトは、最近接のオブジェクトと同様に赤で表示されます。このためオブジェクトは 8 つのレベルとなります。
次の図は異なる LOD を持つチェスの駒があるシーンを表しています。最も近いチェスの駒は赤で表示され、金色の駒はその次に近くにあり、黄色は最も遠い駒です。